本場結城紬 コラム 鳩子の海(2):結城紬マニアックス【本場結城紬のあれこれ】

本場結城紬 コラム 鳩子の海(2)

2008年03月18日

結城紬マニアックスです。
前回、お話ししていた「鳩子の海」のあらすじの後編の紹介です。


大人になった鳩子(藤田美保子)は、音楽の勉強をするため東京へ上京します。
ここからは東京が舞台になります。

昭和36年、鳩子は東海村原子力研究所に勤める榊原と結婚します。
しかし、結婚5年目の41年夏、まじめすぎる榊原との結婚生活にくたびれた鳩子は家出をします。

ちなみに、3月15日BS2放映の「お宝TVデラックス-朝を彩るヒロインたち」でも触れられていましたが、NHKの朝の連続テレビ小説でヒロインが離婚するという設定は「鳩子の海」が最初なんだそうです。
賛否両論、大変な話題になったそうです。

昭和41年、家出をした鳩子が訪れた場所、そこが結城紬の里、結城市でした。
鳩子は紬問屋「高正」で働き始めます。
その頃、鳩子は別れた夫との間にできた子供、鷲太郎を出産します。
その後、鳩子は機織りの修行に没頭しますが、鳩子の子供の頃の防空頭巾ともんぺは結城紬であることが分かって、出生の秘密が解けかかります。
しかし、それ以上の手がかりはつかめませんでした。


銘菓 鳩子の海



その後、舞台は東京へ。
鳩子は「高正」の東京店へ移りました。
そして、昭和49年、やっと鳩子の出生の秘密がわかります。
鳩子は京都室町の呉服問屋の次男の一人娘、仮名子という名でした。
彼女は疎開するトラックに揺られ、広島中心部を通った際、丁度原爆に遭遇したのです。
(ちなみに、番組内では京都からの疎開中ではなく、広島の呉服商の娘と紹介していました。どちらが正しいのかは不明です。)
奇跡的に怪我をしなかった彼女は西へと歩き続けますが、この時のショックで記憶を失ったのでした。

ぜんそくを持つ鷲太郎のために、鳩子は上関へもどります。
広島大学の助教授に任命されていた鳩子の夫であった榊原は、上関を訪ね、鳩子らと再会します。
時々逢いたいという榊原に、鳩子は「いいわ」と答えます。
自分の出生の秘密を知り、本当の名を突き止めた彼女でしたが、これからも「鳩子」として強く生きることを誓うのでした。


一言であらすじを、と言っても難しいですね・・・
1年分のストーリーですからね。

NHKに保管されていなかった、11話分の映像が新たに見つかったそうですが、番組でも映像として流されていたのは子役中心の映像でした。
これは、斎藤こず恵さんのご両親が残したものだったので当然と言えば当然のことでしょう。
映像内にちらっと映った「高正」が結城の産地問屋なんですね。
鳩子の防空頭巾が結城紬であったことが重要なキーワードと言えるのだから、その辺は「お宝TVデラックス-朝を彩るヒロインたち」内でも一言でいいから触れて欲しかったなぁと思います。
鳩子が機織りに打ち込む姿の映像なんてのも是非見たかったですね。

新たなVTRが発掘されないものでしょうか。
期待して待ちましょう。


参考文献 神様が残された国、上関町商工会  鳩子の海「始末記」より


鳩子の海 林秀彦 作品


2008年03月18日

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