本場結城紬 制作 本糊付け
2008年01月08日
絣もついに完成しました。
ここからはいよいよはた織りのための準備。
ここでは、最終的な糊付けをします。この糊付けを「本糊付け」と言います。
下糊と同様に、糊付けの濃度は正確を期するため、糸の重さを量ります。
地糸の糊付けをしているところです。
こちらは経絣の糊付けです。
紬糸は前にも書きましたが無撚りのため切れやすく、こうして糊を付けることで強度を高め、かつ毛羽立ちを押さえて織りやすくします。
糊付けは加減が難しい作業で、糸の太さ、性質、色目、温度、湿度の違いで糊の効き具合が微妙に変わってきます。
糊の分量は機屋さんによって違い、皆、独自のノウハウを持っています。
糊付けは30分程浸して糊が十分に染み込んだら脱水します。
下糊付けでは糊の分量も少ないので脱水機で脱水することもありますが、本糊付けの場合は糊の分量も多く、十分な脱水を行う必要があるため、写真のような絞り機を使います。
これが絞り機で糸を絞っているところです。
この時、糸はきつくねじって絞られますので、糸を丸くたぐっておく時に長さが均等になるようにたぐらなくてはなりません。
糸のたぐりが均等でないと絞った時に糸がたくさん切れてしまいます。
絞りあがった糸はこのようにタオルに包んでほぐれやすいようにもみます。
絞った糸を揉んでいるところです。
さらにその後に糸を台にたたきつけるようにして、よくたたきます。
最後に、ほぐしやすいようによくたたいた糸を、つって乾かすわけですが、糊が乾く前に手早く糸を分けておきます。
糸がくっついたままで乾かれると後の作業ができなくなってしまいますので、この作業は手早く行わなくてはなりません。
昔は屋外で仕事をしていたため、こういった乾く前に終わらせるといった工程は本当に大変だったと言います。
2008年01月08日
カテゴリー:本場結城紬 制作