本場結城紬 Q&A Q.結城紬って本当に手織り?:結城紬マニアックス【本場結城紬のあれこれ】

本場結城紬 Q&A Q.結城紬って本当に手織り?

2008年01月05日

本場結城紬 Q&A第2弾です。数万円の結城紬から何百万円もする結城紬まで見てしまえば、こんな疑問が出ても不思議ではないですね。
というわけで、こんな質問にお答えします。

===================== 質問 =======================

結城紬(本場)って、本当に全て手織りなんですか?実演だけで、実は機械で織っているのでは?


===================== 答え =======================

他産地の結城紬については知りません。
これは、それぞれの結城紬が独自の検査組合によって検査しておりここ結城の検査協同組合とは全く別の組織であるため、検査基準も全く異なるためです。
当然、手つむぎ糸、手しばり、手織りを明確に検査基準にあげているわけではないので何とも言えないというのが正直なところです。

ですから、「結城紬」と名の付く反物が全て手織りなのか・・・というとそうではないかもしれません。


ただし、「本場結城紬」に限って言うと、全て手織りです。
こちらでも説明しましたが、結城の織りについてが2種類あります。

1.地機
2.高機

それぞれに対して緯糸が違う

1.平織
2.縮織

があって、組み合わせは4種類ということになります。
それぞれの織機や織り方の違いについては別記事で詳しく紹介します。

重要無形文化財の要件で手織りに限るとあるので、機械織りにするわけにはいかないというのもありますが、技術的な面からも機械織りは難しいのです。

元々、手つむぎ糸には全く撚りが入っていないためとても弱く、工程中、何度も糊付けをしなくてはならないほど弱いので機械織りには向きません。
また、手つむぎ糸には”節”があります。
これが”おさ”の目に引っかかるため、非常に良く切れます。
本結城の織りの作業は切れた糸をいかに速くつなぐかが効率良く織るための技術とも言えます。

 だから、職人さんの最初に覚える技術は「はた結び」なんです。
 何日も何日もひたすら糸を結ぶ練習をします。
 これが速くできなくちゃ、後の仕事の効率が非常に悪いので。

これが機械化ができない大きな理由なんです。
しかも手つむぎのため、糸の太さがまばらで、弱い部分があること。
糸をとった時によりつけた糸のひげが剥がれてきて”おさ”にからむ等、撚りの入った正絹糸と較べて、糸が切れる要因がとても多いんです。

そういう意味では、同じ材料を使った高機でも「切れる糸との戦い」では同じ事ですが、地機ほどは切れないといった程度の違いがあります。
これは実際に一度織機を見てもらえれば理由が良くわかります。

だめですよ!
実演が終わったら、工房ではがっしゃがっしゃ機械で織ってるんだろうなぁ、何て言っちゃ!

本場結城紬の機屋さんは、人が見てないところでも、昔ながらの地道な手作業で「ものづくり」をしています。

2008年01月05日

カテゴリー:本場結城紬 Q&A