本場結城紬 制作 製経
2007年10月06日
ここでは製経(せいけい)、または機のべという作業を行います
製経とは、糸の長さを一定にし、かつ必要な本数分、糸をのべる工程です
この作業は、経絣、緯絣、地糸、それぞれに必要な作業で、どれだけの長さが必要で何本必要かを図案から算出しておきます
たとえば地糸であれば、1反12m30cmなので余裕をみて14mのべておくといった感じです
糸を巻いた管を「のべ台」に上にセットします。
この台を「のべ台」といいます。
例えば、のべ台の長さを9尺に合わせて、8渡り(4往復)分、糸をのべると32尺の糸をのべる事ができます
のべ台の上の管から20本ずつ、糸が引き出されていきます
例えば、480本の糸が必要な場合、20個の管で製経を行うとすれば、24回のべればいい、といった感じです
(実際には上糸と下糸の計算もするので、もうちょっと複雑な見積もりが必要ですが、大体の理屈はこんなものだと思って下さい)
この作業は、のべ出しからのべ終いまでなるべく同じ張力でのべないと、糸にのべ曲がりが出来てしまう、非常に熟練を要する仕事です
糸のべの折り返し時にこのように糸を絡め取る事を「あやとり」といい、糸の順番が入れ替わらないようにします
作った「あや」は、のべ台の折り返しの棒の掛け、のべあがったら綿糸で輪を作り、あやが壊れないようにします
ここで作った「あや」は、今後の作業で非常に大事になります
この「あや」があるおかげで絣の順番も狂うことなく作業できるわけです
2007年10月06日
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