本場結城紬 話題 紬ってなんですか??
2007年09月11日
「紬」とは、紬糸を使った絹織物の事を言います
紬糸の原料はお蚕さんの繭ですが、一般にはくず繭を使います
くず繭とは、汚れたり、変形していたり、または蚕が2匹入ってしまった玉繭の事を言います
紬糸とは、このくず繭を真綿に加工してから手つむぎで引き出した撚りの無い糸の事です
下の写真は実際に糸を紡いでいるところです
このような工程で紡ぐ紬糸は太さが均一ではなく、かすかに毛羽立っています
これが、結城紬の温かさや独特の風合いを生み出すわけですね
下の写真を見てみましょう
この写真は、通常の絹糸(撚りがある)と紬糸(撚りがない)を拡大したものです
撚りのない糸に強度がないのは写真を見ると良く分かりますね
そこで、結城紬では制作過程で糊付けを行い、糸の強度を高めて作業を行うわけです。
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通常の絹糸の拡大写真
紬糸の拡大写真
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しかし、紬という名前が付いていても、実際に経糸と緯糸にこの紬糸を使っているのは結城紬だけで、他の紬は撚りの入った緯糸と普通の絹糸を経糸にして織ったものが大半です
本来の意味の「紬」という言葉が当てはまるのは結城紬だけって事ですね
ちなみに、紬糸は手つむぎのため、太さが一定でなく、木綿のような素朴な風合いがあり、軽くて長持ちするため、江戸後期にはとくに町人階級にこのまれて使用されました
江戸時代後期、一般庶民は絹織物の着用が禁止されていましたが、廃品利用とも言える「くず繭からつくられる紬織物」は着用が許されていたのです
2007年09月11日
カテゴリー:本場結城紬 豆知識